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ママンよりあなたへ…


by fuku_mama
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トッコちゃん

11月に入ってすぐの昼下がり。
実家の母より電話が入った。
「おとうさんが誕生日のハガキを送ったけれど
 住所不定で帰ってきてしまったって。あんたどこにいるの?」
「こーちゃんとこでいっしょに暮らしている。やっぱり心配だからね」
「そう。ハガキ・・・再送するかどうかはわからないけれど、むこうひきあげたって
 伝えとくわね。」

「そうだ、ぱーぱのこと・・・大変だったね。
 うえねーちゃん子供つれて帰ってきているんでしょ?まーにぎやかなのは気がまぎれて
 いいこと・・」
「は?なにいってるの?うえねーちゃんは嫁ぎ先でちゃんとやっているわよ。
 いいかげんなこといわないで。まっいいわ元気なんでしょ?それじゃ」
「はい」

実家の母はいつもこんな感じだ。
うえねーちゃんの嫁ぎ先は、実家の目と鼻の先で子供つれて遊びにくる事は
日常茶飯事だというのに、なにいってんだろ という感じだ。
彼女について今日は書きたい。

実家の母は、私の母ではない。
私の母が亡くなった7年後に父のところにきた、後妻さんである。
彼女は妹の話によると、13で父と出会ったらしい。
その頃彼女と父とは中学の先生と生徒であった。
彼女が父の中学に入って間もなく、私の母は腎盂腎炎による尿毒症で
他界した。
母はもともと体が丈夫でなかった上で、子供は無理といわれていた中
私を産んで、もう一人と男の子を身ごもっていたが早産で亡くしていた。
その時の無理がたたって腎臓を壊し、それがもとで亡くなった。
朝早くに母は3歳だったわたしを起こした。
「あけみ 頭が痛いお父さん起こして」
これが母の最後に聞いた言葉だった。

このあと何がどうなったのか?
まったく記憶がない・・・気がついたらお葬式になっていた。
そして父が仕事にいっている時、まずは父の同僚の先生の家にしばらく預けられた。
そのつぎにきたのが下町の鍛冶屋さんだった。
そこには3人の娘と太い釘を打つ鍛冶職人のおじさんと
雷がなると仏壇の前で祈りまくる 漬け物上手なおかみさん
それと押し入れの中に一升瓶とお菓子を隠し持っている、ちいさなおじいちゃんが
タケという猫と一緒に暮らしていた。
その3人姉妹の長女が トッコちゃんという今の母である。
by fuku_mama | 2008-11-29 12:43 | ママン日記